便秘と下痢

便秘とは

便秘とは、便通が芳しくない状態のことです。排便回数が少ないだけで便秘の診断とはならず、一度の排便量が少ない、排便時にいきまないとできない、残便感があるといった状況を総合的に判断します。

便秘を放置してしまうと
どうなる?

便秘を治療せずにいると、大腸内で腐敗菌が増殖し、臭いが強いおなら、吹き出物・肌荒れといった肌トラブル、肥満、食欲不振、脂質異常症などを引き起こす恐れがあります。
便秘に悩んでいる方の多くは市販の便秘薬を服用して無理やり排便しようとされていると思います。しかし、そういったやり方はかえって、腹痛が生じるなど、根本的な便秘解消は難しいと言えます。
便秘は患者様によって様々な原因が考えられますので、専門医に相談し適切な治療を受けることが望ましいでしょう。

便秘の種類

便秘は、器質的便秘と機能的便秘の2つに大別されます。
器質的便秘とは、別の疾患によって便秘が引き起こされているもので、肛門疾患、炎症性腸疾患、大腸がんなどが挙げられます。
機能的便秘とは、細かく分けると次の3つとなります。

  1. 弛緩性便秘:腸の動きが滞ることが原因
  2. 痙攣性便秘:腸が非常に緊張していることが原因
  3. 直腸性便秘:便が直腸で溜まってしまうことが原因

診察で便秘の原因を特定し、適切な検査とお薬の処方、生活指導、食事指導を実施し、効果的な治療を行っていきます。

便秘の診断・治療の流れ

1.問診

排便回数、便の状態、血便の有無、排便時にどれくらいいきむか、肛門の痛みの有無、急激な体重減少の有無、既往歴などを確認します。

2.診察

腹部の状態を直接触って確認し、腸内の便の蓄積状況や腫瘍ができていないかチェックします。また、肛門疾患の恐れがある方には、直腸の診察も検討します。 さらに、腹部エコーや血液検査によって、腸だけでなくその他の臓器に異常がないかも確認します。

3.大腸カメラ検査

問診、診察、ご家族の既往歴などを総合的に判断し、器質的便秘の疑いがある場合は、大腸カメラ検査を行うことがあります。
なお、大腸カメラ検査は当院で対応していないため、必要な場合は提携先の実施可能な医療機関をご紹介いたします。

4.治療方法

診察、検査の結果を総合的に判断し、便秘の原因を特定して患者様へ丁寧にお話します。 治療法は、薬物療法、生活指導、食事指導を複合して最適なものをご案内いたします。 便秘は、患者様お一人お一人で原因が様々ありますので、お薬の処方内容も最適なものを個別検討し、排便習慣が良くなってくれば、お薬の量も少しずつ調整していきます。

下痢とは

下痢とは、水分量が過剰な便を何回も排便する状態のことで、短時間で症状が収まる急性下痢、症状が1か月以上長引く慢性下痢の2つに分けられます。
急性下痢は、細菌やウイルスへの感染が原因となる胃腸炎によって引き起こされることが多く、脱水症状予防のための補液、整腸剤の服用、場合によっては抗生剤を使うこともあります。
一方、慢性下痢は様々な原因によって引き起こされますので、以下では慢性下痢について詳しくご説明いたします。

慢性下痢の原因

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、お薬の(特にPPIなどの胃酸分泌抑制効果があるもの)副作用、慢性膵炎、大腸がん、ストレスや暴飲暴食といった生活習慣の乱れなどによって下痢が引き起こされます。

下痢の診断・治療の流れ

1.問診

症状が始まった時期、詳しい状態を確認し、生活習慣(ストレス、日々の食事)、服用中のお薬についても伺います。

2.検査

問診内容をもとに必要な検査を実施します。

血液検査

内臓機能や内臓疾患を確認します。

腹部レントゲン検査

腸管のガスや便の分布などを確認します。

大腸カメラ

炎症性腸疾患、大腸がんの有無を確認します。 ※大腸カメラは当院で対応していないため、必要な場合は提携先の実施可能な医療機関をご紹介いたします。

3.治療方法

慢性下痢の原因が分かりましたら、原因疾患の治療を優先的に実施します。特に、炎症性腸疾患の場合は、長期的な目線で治療に取り組み慎重に経過を注視する必要があります。
原因疾患が特に見つからない場合は、過敏性腸症候群の疑いがあり、ストレスや生活習慣を改善するために、患者様のライフスタイルを考慮した最適な治療をご案内いたします。

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